RFI とは何か?RFP との違いやテンプレートを紹介

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2024年11月27日
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概要

RFI とは、企業がベンダーに送付する文書で、そのベンダーが提供できるサービス、業務、製品に関する情報収集のために活用します。RFI には、一般的な目標や目的から評価基準や提出方法の詳細まで、あらゆる内容を記載できるうえ、RFI テンプレートを使用すれば、新しいプロジェクトのパートナーとなる最適なベンダー選定の際にも役立ちます。この記事では、RFI とは何か、その基礎知識と作成方法、活用できる場面をご紹介します。

更新: 本記事は、RFI に含める項目に関するさらに詳しい記述を含めて 2024年 11月に改訂されました。

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Asana でプロジェクトを計画するメリット

プロジェクトに一緒に取り組むベンダーを探すなら、RFI (情報提供依頼書、情報要求書) を活用しましょう。RFI テンプレートは思考の整理に役立つだけでなく、ベンダーからも情報を得られ、プロジェクトに最適なパートナーを見つける助けとなります。

このガイドでは、RFI とは何か、どのような場合に使用すべきか、RFI の作り方についてまとめます。記事の中で紹介する無料の RFI テンプレートを使って、このプロセスの最初の一歩を踏み出しましょう。

RFI とは

RFI とは利用可能なサービスや製品に関する情報を収集するために、プロジェクトマネージャーがベンダー候補に送る文書で、プロジェクトの計画段階のはじめの一歩として使用すべき書類です。情報システムや業務委託のケースで RFI が用いられることが多く、使用者となる企業側がベンダー (発注先) に対して、製品やサービスの概要に関する情報の提供を求めるために作成されます。

RFI の目的は?

RFI を送る目的は、ビジネスプロジェクトに対して、請負業者のソリューションを提案してもらうことです。RFI を作成する段階で問題の答えを知っている必要はありません。RFI は、自社の問題を解決する最良の方法を正確に把握するプロセスの一部です。

RFI は何の略?

RFI とは、Request for information の頭文字を取った用語です。日本語では情報提供依頼書や情報要求書とも呼ばれます。

企業は通常、RFI フォームをカスタマイズして、ターゲットオーディエンス、過去のプロジェクト、会社の特徴など、具体的な質問をベンダーに投げかけ、回答を求めます。カスタマイズを行い、ベンダーに最も関連性の高い質問をすることで、ベンダーがより早く、より効果的な方法でソリューションを見い出すことができます。

一方、RFI を使ってサプライヤーに詳細な情報を要求することは、後から発生する問題を減らすことにもつながります。RFI、RFPRFQ 文書からの回答を総合的に考慮した上で、どのベンダーを選択するかの最終決定を行います。

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用語解説: RFI、RFP、RFQ の違いは?

RFI と RFP、RFQ は混合されがちなビジネス用語です。その違いを把握しましょう。

RFI と RFP の違い

RFP (Request for proposal、提案依頼書) は、背景情報や詳細、プロジェクトの予算などの情報が含まれる文書で、通常ベンダーに送信して提案内容を返送してもらいます。基本情報が含まれる RFI と違い、RFP には具体的な情報を知りたい場合に使用するものであり、ベンダーにとっても自社の製品やサービスを売り込む手段となります。

RFI と RFP の違いは、使用するタイミングにもあります。ベンダー候補がプロジェクトの問題をどう解決するかを知りたい場合には、まず RFI を送りましょう。

RFI と RFP、どっちが先?

RFP と RFI はどちらも企業から発注先や業務委託先に依頼する文書なので、混同してしまうかもしれません。実際のところ、どちらを先に送ればいいのでしょうか?答えは「RFI」です。まずは RFI を送り、利用可能な製品やサービスの情報を手に入れましょう。

無料 RFP プロセステンプレート

RFI と RFQ の違い

RFI と混同されやすい用語に、RFQ (Request for quotation、見積依頼書) があります。RFI は、サプライヤー候補に関する一般的な情報を収集するものですが、RFQ は価格を明確にするのを目的として、企業がベンダーに送る文書です。

通常、RFQ の前に RFI を送りますが、各プロジェクトにどのベンダーが最も適しているかを判断するには、両方を使用します。RFI は、プロジェクトの詳細と全体像に焦点を当て、RFQ は、主にサプライヤーのサービスや商品のコストに焦点を当てます。

記事: RFQ テンプレート: 見積依頼書作成の 6 つのステップ

RFI のメリットは?

RFI を使用するメリット

RFI にはどのようなメリットがあるのでしょうか?たとえば、RFI は詳細な情報収集が可能となるだけでなく、その情報を比較するのに便利だったり、RFI を適切に保管しておくことで、将来的に参考となりうる情報を入手することができます。RFI のメリットを以下にいくつか挙げてみます。

ベンダーを比較しやすくなる 

RFI を活用することで、異なるベンダーからの情報を統一フォーマットで収集でき、客観的な比較が可能となります。同じ質問に対する回答を並列に検討することで、各社の強みや弱み、提供するソリューションの違いが明確になります。これにより、企業のニーズに最も適したベンダーを効率的かつ客観的に選定することが可能になります。

今後の資料として情報を保存できる

RFI を通じて得た情報は、将来の意思決定やプロジェクト計画の基礎資料として活用できます。市場動向や技術トレンドを示す重要なデータとして保存することで、将来のプロジェクトで類似の調査が必要な場合に迅速に参考にでき、時間とコストの削減につながります。

ベンダーに競争入札方式だと知らせることができる

RFI は、ベンダーに対して複数の候補企業と比較検討を行う意向を明確に示します。これにより、ベンダー側は他社と競争することを意識し、より魅力的な提案を提示するよう努力します。結果として、より良い条件での契約や革新的なソリューションの提供が期待できます。

新規取引先との協業に前向きな姿勢を示せる

RFI を通じて新しい取引先と接触することは、発注者が協業の可能性を探り、積極的な姿勢を示す場ともなります。特に、これまで接点のなかった企業に対して自社のニーズや方向性を共有することで、信頼関係を構築し、今後のパートナーシップへの第一歩を踏み出すことができます。


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RFI の記載内容は?

RFI には通常、以下の項目が含まれます。

目的と背景

まず、依頼の目的と背景を明確に記載します。これは、プロジェクトの全体像をベンダーに伝える重要な部分です。たとえば、「既存システムの老朽化に伴うリプレースの検討」や「業務効率化のための新技術導入」など、達成したいゴールやビジネス上の意義を具体的に示します。また、プロジェクトの規模や業界特性なども加えることで、ベンダーが適切な提案を行いやすくなります。

自社情報と発注の範囲

自社の概要を簡潔に説明し、発注対象となる範囲を明確にします。これには、会社規模、事業内容、関連する業務プロセスの概要を含めます。また、システム導入やサービス利用が予定される部門や、プロジェクトの対象範囲を具体的に示すことが重要です。たとえば、「物流部門向け在庫管理システムの刷新」や「全社統一の勤怠管理ツール導入」といった形で記載します。

現状の課題

現状で直面している課題を明示し、それを解決するためにどのような要件が必要かを記載します。具体的には、「現在のシステムが複数の部署で分断されている」「手作業が多く生産性が低い」「トラブル対応が頻発している」といった課題を挙げます。これにより、ベンダーが自社に合った解決策を提案しやすくなります。

提供依頼情報

ベンダーに提供を依頼する情報を具体的に記載します。たとえば、「製品やサービスの概要」「提供可能な基本機能」「システムの導入実績」「技術仕様」などです。また、「セキュリティ基準への対応」や「サポート体制」など、必要不可欠な要件を明確にすることで、より精度の高い回答を引き出せます。これにより、ニーズに合致するソリューションの絞り込みが可能になります。

提出方法の詳細と回答期限

回答を提出する方法と期限を詳細に記載します。提出先の連絡先や、回答の形式 (PDF、Word、表形式など) を指定するとともに、文字数やページ数の制限があれば明示します。たとえば、「回答はメールで送付し、件名にプロジェクト名を記載すること」「添付ファイルは10MB以内に収める」といった指示が考えられます。さらに、回答期限を具体的な日時で記載し、期限内に提出するよう求めることも重要です。

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RFI の作成方法

解決すべき問題や、請負業者のサポートが必要なプロジェクトがあるとわかったら、RFI を送るときです。この時点では、まだ解決策を完全に把握している必要はありません。

あなたの試みをどのように支援できるか、ベンダーは回答してくれるでしょう。以下は、プロジェクトに適切な請負業者を見つけるのに役立つ、RFI 作成のための 4 つのステップです。

1. ニーズステートメントの作成

何よりも先に、まずは RFI にニーズステートメントを記載する必要があります。ニーズステートメントでは、あなたが解決しようとしている問題と、ベンダーの基準について簡単に概説します。あなたの会社に関する予備知識がなくてもサプライヤーが問題を理解できるように、十分な情報を提供しましょう。

たとえば、アパレルブランドのマーケティング計画作成のサポートとして、マーケティングの専門家に連絡を取ったとします。まずは自社のブランド認知度と収益を向上させる必要性を説明したニーズステートメントを含む、RFI テンプレートを送ります。マーケティングの専門家は、文書の「提供依頼情報」の項目で回答し、どのように問題を解決できるかを示すでしょう。

2. 会社情報の追加

ビジネスモデルについての詳しい説明を追加することで、ベンダーは、より効率的に問題への解決策を見出すことができます。業界、ターゲットオーディエンス、会社の価値観などを伝えることで、ベンダーもニーズに合わせた回答ができるようになります。こういった背景情報を提供することは、あなたが解決しようとしている問題を、ベンダーにより詳細に理解してもらうためにも役立ちます。

3. プロジェクトの重要な詳細を含める

次に、RFI に含めるべき最も重要な情報は何か考えてみましょう。プロジェクトを完了させるために、ベンダーが知っておく必要のある情報はすべて含めるようにしましょう。

RFI を作成する際には、以下について確認しましょう。

  • プロジェクト目標: サプライヤーが問題解決のために十分な情報を得られるように、プロジェクトの詳細と目的を提供しましょう。

  • 提出方法の詳細: ベンダーに RFI の返送先を確実に知らせるために、文書にメールまたは郵送先住所を追加しましょう。

  • 回答期限: RFI に直接、回答の締め切りを記載することで、すべての参加者がいつまでに文書を提出すれば検討の対象になるのかを確実に理解できます。

  • 評価基準: 明確な評価基準があれば、請負業者候補はプロジェクトのパートナーとして選ばれるために必要な最低限の資格を満たしているかどうかを知ることができます。

プロジェクトの詳細をすべて含めることで、適切な請負業者を見つけ、プロジェクトの問題を解決できるパートナーを見つけられます。また、ベンダーもその特定のプロジェクトのニーズに合わせた回答ができるので、そのベンダーがプロジェクトに適しているかどうか判断しやすくなります。

4. 回答欄を設ける

回答者に、プロジェクトの完了方法を説明する機会を与えましょう。これは、そのベンダーが提供する解決策の期待度を判断する上で非常に重要です。また、そのプロジェクトになぜそのベンダーが適しているのか、説明してもらうようにしましょう。そうすることで、ベンダーのあり方や仕事への取り組み方、仕事に対する姿勢などについて知ることができます。こうした回答内容は、次のステップでどのベンダーに提案依頼書 (RFP) を送るべきか、判断するのに役立ちます。

特に、RFI には必ず以下の項目を設けるようにしましょう。

  • 提供依頼情報: そのプロジェクトに関し、会社が必要としている情報に対する回答を提供するための項目は必要不可欠です。

  • 能力: ベンダーが自分の能力を記入できる項目を設け、十分な情報を得た上で最良の依頼相手を決定できるようにします。

RFI の要件

RFI テンプレート

RFI テンプレートは、プロジェクトの問題解決に役立つベンダーを見つける助けとなります。RFI を送信する際は必ず、会社情報、目標、目的、ビジネス要件、作業範囲、および提供依頼情報の項目に記入しましょう。

以下の RFI の例に示すように、ベンダー回答欄は空白にして、請負業者が質問に答えられるようにします。

RFI 評価テンプレートの例
情報提供依頼書 (RFI) 用の無料テンプレート

RFI の例

RFI が特に役に立つのは、解決しなければならない問題があるにもかかわらず、どこから手をつければいいのか、どのように問題を解決すればいいのかわからない場合です。問題の詳細をベンダーに送ることで、解決策の選択肢が広がります。例えば、次のような場面が想定できます。

  • ホームオフィスの改装について意見を聞きたいので、インテリアデザイナーに RFI を送る。

  • 地下室の浸水対策をしたいので、複数の業者に RFI を送る。

  • ウェブサイトのトラフィックを増やす最適な戦略を探しているので、SEO の専門家にメールで RFI を送る。

戻ってきた RFI を確認し、引き続き興味のあるベンダーやサプライヤーを決定します。そしてその絞り込まれたリストを利用して、プロジェクトの完了手段の詳細を求める提案依頼書 (RFP) を送るベンダーを判断します。

記事: チームのワークフローを改善する 5 つのプロジェクト管理フェーズ

RFI と Asana を活用して最適な業務委託先を見つける

RFI とは何か、その目的とメリット、作成方法について解説しました。RFQ や RFP などの用語解説も参考にして、それぞれの違いも把握しておくことも大切です。

組織が抱える問題に最適な解決策をみつけるために、RFI を作成しましょう。そうすることで、候補となるベンダーのリストができあがり、期待されているプロジェクト成果物へ向けて土台を築くことができるのです。

RFI はテンプレートを使うことでよりいっそう作業が効率化します。次のプロジェクトでは、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズできる Asana のテンプレートを使用して、RFI、RFP、RFQ を管理しながら進めましょう。

記事: テンプレートとは?仕事に役立つテンプレートを紹介

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